後藤大悟 (平13経)
2020年10月9日 10月度例会が、GIORONEにて出席者22名のもと開催されました。
テーマは2019年ラグビーワールドカップ神奈川県実行委員長もされていた幹事の康乗先輩による講演でした。
講演内容は、ここでしか話しできないという事満載という事で、昨年のラグビーワールドカップが開催されたこと、予選、決勝戦が横浜で開催できた事の様々な奇跡を当事者しか知りえない臨場感、実名を交えながらお話ししていただきました。
私自身も昨年予選の日本戦を現地で観戦させて頂く事が出来たのですが、今回の話を聞いて当日知らないドラマが盛りだくさんで改めて当日の感動を思い起こすことができました。特に巨大台風が襲来する中でのスコットランド戦ができた事の横浜市の方の努力や勝利を目指した関係者の意地に関しては改めて目頭が熱くなりました。
今回5つの奇跡という事で講演をして頂きましたが、最後に現在のコロナの状況を考えれば昨年のワールドカップの熱狂ができた事自体が奇跡であったと思います。現在、この状況は1年で大きく変わり、ラグビーワールドカップはたった1年前の出来事ではありますが、それがはるか昔の出来事のようです。いつになるのかわかりませんが、今の社会状況が変わり次に同じような熱狂、奇跡を感じる日を待ちわびずにいれないと思いをはせる時間となりました。
天竹清弘 (平15経)
11月6日11月例会に参加してきました。今回は鳥巣副幹事長の企画で、講師に矢上 真理恵様をお迎えしての「自力整体セミナー」でした。実技を行うため、定員20名での講習でした。
自力整体とは、ヨガのようなゆっくりとした動きで内面を鍛え、自己の免疫力を高める運動だそうです。実際やってみて、これなら自宅でも職場でも空いた時間に簡単にできるなと思いました。これで免疫力が高まるならコロナにもインフルエンザにも負けずにこの冬を乗り切れそうです。講師の矢上様の丁寧な指導で、講義終了後は参加者全員すっきりとした表情でした。
黒川早苗 (平12商)
令和2年8月1日、神戸ポートピアホテルにて、塾員のマジシャン小梅さんによるマジックショーを含む8月家族例会に参加しました。
私には、人見知りの夫と、しつけの行き届かない我が子3人がおり、家族での参加は毎年見送っていたのですが、コロナの影響であらゆるイベントが中止になったこの夏、マジックショーと聞いて、即参加を決めました。さらに給付金が支給され、調子に乗った私は、這ってでも帰れる距離にも関わらず、その晩、ポートピアホテルの宿泊予約を決め、小2の長女は、学校でも「ポートピアホテルに泊まる」と言いふらす浮かれ具合です。
さて、当日、早めにチェックインした我らを待っていたのは、な、なんと、さりげなくテーブルに置かれた、中内先輩からのお手紙、そして冷蔵庫を開けると、美しいフルーツ盛り合わせが!こんなサプライズ、夫からも、(そして誰からも)されたことがありません!中内先輩、本当にありがとうございました。(さんざん事前に宿泊を匂わせてすみません)
南館和洋室は、眺めも良く、広々としていて我が子も大はしゃぎ。早速、プールに入ってから、いよいよパーティー会場へ。
久しぶりの会員の皆様のお元気そうな姿に、ああ、三田会ってやっぱりいいなあと、しみじみ思うのでした。会長の挨拶では、開催に至る執行部の皆さんの葛藤を知り、また、佐井先輩の乾杯のご挨拶では、ご自身が関わっておられる奨学金の件で、コロナの影響で困っている多くの優秀な学生のために、通常よりもかなり多い金額を支給することになったので、塾員の皆様におかれても、(会報「塾」にも掲載されているそうです)寄付金について、ぜひご検討いただきたいとのことです。私も協力したいと思います。
さて、小梅さんのショーは、登場から、ひらがなのカードで、我が子のハートをわしづかみ。座席から身を乗り出して見ている我が子の姿に、大枚はたいて連れてきてヨカッタと思いました。小梅さんのマジックは、昨年、関西不動産三田会でも拝見し、すっかりファンになっておりましたが、本当に期待通り。美しいルックスだけでなく、さすが落研出身な、小気味よいトークに、観客は、ぐんぐん引き込まれていき、あっという間に夢の時間は終わりました。
お料理も素晴らしく、コロナ対策であらかじめお皿に盛られて出てきた前菜の盛り合わせは、キラキラと夏の宝石のよう。子ども用には、わざわざ甘口カレーを持ってきてくださり、末っ子はお替りしました。
目の前で焼いてくださるステーキは(ソーシャルディスタンスを保って、お行儀よく並び、アクリル板の向こうでジュウジュウ焼いて下さります)、3人前をテーブルに運んだはずだが、ほぼ長男がニヤケまくりながら完食。ああ、目にも幸せ、おなかも幸せ。
非日常の豪華な世界。真夏の夜の夢・・・・・。
次回は、オークションで、ポートピアホテル宿泊券をなんとしても勝ち取るぞ!と誓いつつ、それこそ這ってでも帰れる豪華客室へと、千鳥足で戻るのでした。
神戸慶應倶楽部会長 木村健(昭57法)
今年は、COVID-19による社会経済活動制限により、神戸慶應俱楽部におきましても三月・四月例会を中止し、評議委員会、定時総会はメールおよび書面による決議をお願いいたしました。何かと大変な時節に会員皆様のご協力賜りましたこと、改めまして厚く御礼申し上げます。
さて、今六月より新体制にて幹事会がスタートいたします。幹事長には橋本敦子前副幹事長が就任され、この難局の時代に新しい発想・視点で倶楽部を運営していただけるものと、大いに期待しております。橋本敦子新幹事長への激励・ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。また、小池剛前幹事長には、二期四年の長きに亘り、特に直近二年間に於いて負荷のかかる重責を全うされましたこと、心より感謝と敬意を表します。
到来する新しい時代を乗り越えるにあたり、神戸慶應倶楽部の存在が会員皆様の心の支えとなれますよう役員・幹事会ひとつとなり努力してまいる所存でございます。
皆様におかれましては、これから暑くなる時節柄くれぐれもご自愛くださいますよう祈念申し上げます。
小池剛(平1経済)
2016年5月の定時総会で幹事長を拝命してから早や4年が経ちました。堺前会長、木村会長、松尾前幹事長はじめ先輩方にご指導いただき、事務局と幹事団の皆様には幹事長の至らぬところを的確にフォローいただきながら、何とか2期4年の任期を無事終えることができました。誠にありがとうございました。あらためてすべての会員の皆様のご理解とご協力に心から感謝を申し上げます。
4年の任期の中では皆様にご心配をおかけした部分も少なからずあったと反省しておりますが、それでも何とかしてやろうと神戸慶應倶楽部のメンバー個々のお力と強固な結束力に全面的に助けていただいたのが、昨年の関西合同三田会 神戸大会でした。松尾実行委員長、橋本副実行委員長の描くグランドデザインに各委員長が緻密な実施計画を形作ってくれ、仕上げは各実行委員が細部に命を吹き込んでくれました。2018年度の期初から約1年半かけて、特に後半は毎週のように打ち合わせを重ね、大会を形にしていったことが何といっても一番の思い出です。ゴールに向けて全員でボールを運んでいるうちに誰かが身を挺してパスを出し、誰かが壁を突破し、誰かがフォローに回り、最後は全員でゴールラインに到達できた、あの達成感は本当に格別でした。そのメンバーの一人でいれたことと、会員の皆様のお力添えにあらためてお礼を申し上げます。
今年に入って関西合同三田会の決算業務を仕上げているときに新型コロナの脅威が大きくなっていきました。やむを得ないこととはいえ、いくつもの行事に中止の決定をせざるを得なかったことはとても残念でした。私たちは新型コロナの猛威に対して「集まらない」という戦法で対抗しました。そして一定の成果を得たのだろうと思います。しかしながら当会の存在意義という観点から、思いを同じくする同窓生が集まり交際の幅を広げ、絆を深めるという本来の機能をどう果たしていくのかをあらためて考えさせられました。
この命題に対しては任期中には答えを出すことはできませんでした。新型コロナと共存する時代にリスクをどう捉え乗り越えていくのか、大きな宿題を残して橋本新幹事長にバトンを渡すことになりました。引き続きこの問題には幹事団一丸となって取り組んでいかなければならないと思っています。会員の皆様には、さまざまなご意見アイディアをいただきながら、橋本新体制へのご理解とご協力を賜りますようあらためてお願い申し上げます。
長い間お世話になりありがとうございました。
橋本敦子(平1文)
定時総会のご承認をいただき、このたび幹事長を拝命いたしました橋本敦子(平成元年 文学部)と申します。4年間幹事長を務められ、昨年の「関西合同三田会in 神戸」の成功に貢献された小池前幹事長からバトンを受け継ぎ、身の引き締まる思いです。
昨年の「関西合同三田会in神戸」は、“神戸らしさ×慶應らしさ”にこだわった企画と、ホスピタリティに溢れるものでした。関西のみならず、東京など遠隔地からもお越しいただいた、多くの塾員の心を動かしたのではないでしょうか。結束力をもってこのようなことを成し遂げたのは、ひとえに脈々と受け継がれてきた、神戸慶應倶楽部のアイデンティテイによるものと、深く実感する機会でした。そして私達が次に迎える大きな節目は、神戸慶應倶楽部100周年。幹事長を務めるこれからの2年間は、「次の100年へ向けての2年間」です。
コロナ禍という未曽有のパンデミックを経験し、第2波・第3波への警戒も解けない中、人と人との物理的な距離の見直しなど、これまでと同じでいられないことも多々想定されます、しかしポストコロナにあっても、他大学出身者からも羨望される、三田会ならではの「縦のつながり」をより強いものとし、これまで同様神戸らしく、気品がありスマートでありながら、和気藹々と楽しく、親睦を深める倶楽部でありたいと願っています。
木村会⻑をはじめ、副会⻑、会計監査、顧問、評議員の皆様、そして会員の皆様のご指導と応援をいただきながら、幹事会のメンバーと協⼒して倶楽部の運営をいたします。時には、歴代の幹事長の方々に、ご助言を仰ぐこともあるかも知れません。至らない点も多々あるかと思いますが、誠⼼誠意務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
明石医療センター
心臓血管低侵襲治療センター
岡本一真(平11医)
我々はこれから「New Normal」を生きることになります。
このNew Normalという言葉はリーマンショックの後に起きた変化に対して今までの非日常が日常になるという意味で使われたものです。Covid-19(新型コロナウィルス感染症)による様々な制約や変化した生活に対し、この言葉がリバイバルされました。これからNew Normalを生きることに不安を持つことが多そうですが、どうでしょうか。実際には我々の多くは人生で何度か「New Normal」を克服してきました。1995年の大地震もそうですし、オイルショックもそうです。太平洋戦争による荒廃から立ち上がった経験をお持ちの方もいるでしょう。それを乗り越えて来ました。我々は必ずNew Normalに適応できるのですが、どうせならそれを楽しみながら、そして、余計な苦労せずに適応したいものです。そのためにCovid-19の正確な理解が重要です。しかし、世の中にはいい加減な情報が氾濫しています。中国の陰謀説とか政府の隠蔽説などなど。この中から適切な情報を抜き出すのはとても難しい作業です。私は感染症は全くの専門外ですし、Covid-19について深く勉強した訳ではありませんが、新型コロナウィルス感染症対策専門家会議の状況分析・提言は秀逸であったと考えます。その提言を政治サイドが的確に実行したかどうかが怪しいですが、少なくとも日本の人口100万人あたり死亡者数が6.9人で抑えられました。同じ人口100万人あたりの死者数でみるとベルギーが一番悪くて828人、イギリス600人、イタリア556人、フランス440人、アメリカ340人、そして欧米で最も成功したと言われるドイツですら100人ですから、日本は上手くやったと言えるでしょう。もっとも、アジア諸国はおしなべて低く、遺伝子や流行したウィルスの種類、そして生活様式の違いなどにその理由を求める意見はありますが、それでも、日本在住の欧米人は一定数いるなか、彼らが軒並み重症化したというような話は聞きません。日本社会は中国型のウィルスにも欧米で流行しているウィルスにもタイミングをずらして暴露されたとも言われますが、どちらも制御できています。やっぱりアジア諸国のコントロールの仕方が上手だったと考えるのが自然です。もちろん市民の努力も素晴らしかったのです。
さて、このCovid-19騒動において慶應義塾関係者は大いに活躍しました。まずは、慶應義塾大学病院研修医による集団感染。バカですね。3月26日というタイミングで研修医終了お疲れ様宴会を挙行し、当時すでにリスクが高いと言われていたカラオケに長時間興じた結果18人の集団感染に至りました。結果、院内職員のうち濃厚接触者100名前後が二週間使い物にならなくなったのです。ビックリ仰天の事件でしたが、もともと慶應病院内にはそんな浮世離れした雰囲気が流れているのは確かです。皆さんのように卒後は塾を離れて実社会でキャリアを積まれるのとは対照的に慶應病院のメンバーは大学卒業後も大学院生、そして職員と形を変えながら、慶應義塾の一員であり続けるのです。下手すると齢65歳にして慶應義塾在籍60年なんてのがゴロゴロいて幹部として君臨しているわけですから、独特の閉じられた世界観が病院内を支配しています。起こるべきして起こった事件です。しかし、その後、慶應病院は起死回生の一打を放ちます。院内での大規模感染をふまえ、新規入院者全員にPCR検査を施行しているのですが、4月13日から19日の一週間に検査した67人中5人が陽性であったことを4月21日に病院ウェブサイトで公式に発表しました。Covid-19感染を疑っていない無症状の方のうち実に7.46%が陽性であった事を即座にオープンしたのは偉業だと私は素直に慶應病院を賞賛しました。なぜ偉業なのか?無症状の方を全員検査して7.64%と陽性だったということは東京の人口が1000万人とすると76万人の陽性者が市中をうろうろしているということになります。当時発表されていた東京都の累積感染者数が4000から4500でしたから、まさに桁違いの感染者数がいるということを発表したのです。もちろん、統計学的にはこの7.64%は95%信頼区間で3.2%から16.3%の幅を持ちますし、そもそも入院が必要な体の弱った人だから感染し易いのではないか、という問題があり、様々な批判を受けるだろうし、社会に大きな恐れを抱かせるリスクがありました。その解釈は簡単ではないことも承知の上で事実を淡々と公表した慶應病院の姿勢は素晴らしかったです。私はこの数字をみて、とても喜びました。何故なら、こんなに沢山の感染者がいるにも関わらず重症化して人工呼吸器管理となっているのは当時の東京で100人くらいでした。このことから、感染者数に驚くよりも感染した結果の重症化率がそれほどでもないことを実感したのです。あまりに喜んでSNSに書いたらフジテレビ上席解説委員の平井文夫さんがFNNプライムオンラインの記事(5月1日)で取り上げて下さいました。あのときはゴールデンウィーク前でしたからこれからゴールデンウィークを迎え、社会の人の流れを抑制しやすいというタイミングであったのもラッキーでした。その後も順調に重症者数は減少傾向にあります。
感染に立ち向かう専門家のなかにも、勿論、塾関係者がいます。まずは、厚生労働省医系技官のトップポストである医務技監として感染対策を取り仕切ったのが鈴木康裕氏。そして、WHO西太平洋地域事務局の葛西健事務局長の両氏ともに塾医学部卒で、私も属した慶應義塾大学医学部国際医学研究会を名乗る南米探検隊のOBであります。クラスター班の齋藤智也氏(国立保健医療科学院健康危機管理研究部長)は医学部の一つ下の学年でした。スケート部(アイスホッケー)だったような記憶があります。前述したようにクラスター班は日本の秀逸な感染抑制を実現しました。齋藤氏も積極的に自身が話す動画を発信し「note」というサイトで色んな情報を発信されています。また、神奈川県の医療プロジェクト顧問を務める慶應義塾大学医学部教授(医療政策・管理学)の宮田裕章氏はクラスター班と連携してLINEを用いた健康データ分析により、クラスターを追う感染対策の外側の実態把握に乗り出しました。天才データサイエンティストである宮田氏は銀髪に奇抜なファッションという出で立ちではありますが実際にはとても低姿勢で慎重な方です。東京大学健康科学科出身の彼には慶應義塾医学部の浮世ばなれっぷりは異様でしょうが、その頭脳と冷静な物言いで慶應医学を正しい方向に導いてくれることでしょう。
神奈川県といえば黒岩祐治知事。彼は早稲田出身なのですが、神戸市生まれで灘高卒。それ以外にも神戸に縁のある人物が今回のCovid-19関連で活躍されました。小池百合子東京都知事、西村康稔新型コロナ対策担当大臣は皆さんご存じでしょうが、厚生労働省新型コロナウイルスクラスター対策班で大活躍中の「8割おじさん」こと西浦博北海道大学医学研究員教授(神戸市立高専→宮崎医科大学)や熊谷俊人千葉市長(白陵高校→早稲田)も神戸出身です。おまえもかーと思ったのはアベノマスクや星野源と安倍首相の勝手に共演動画などイマイチ政策の仕掛け人、そして「官邸の金正恩」の悪評を欲しいままにしている佐伯耕三首相秘書官でしょうか。彼も灘高ですが、中高生の頃を知る私としては週刊誌で拝見するご尊顔に時の流れを感じるばかりです。神戸から離れますが、その政策に賛否はあるものの吉村洋文大阪府知事も全国的に名前を上げたと言えるでしょう。Covid-19に対するワクチン開発においても国内では大阪がリードしています。大阪府、大阪市、大阪大学、公立大学法人大阪、大阪府立病院機構及び大阪市民病院機構は、「新型コロナウイルス感染症の予防ワクチン・治療薬等の研究開発に係る連携に関する協定」を結び、ワクチン開発を進めています。7月には限定的に治験が開始されると聞いています。これからのNew Normalの日本社会の創造において関西パワーは重要な役割を果たしそうです。少なくとも人の密集が感染症には最も不適であることが実感出来た今、東京圏に人口が集中している事の危うさにみんなが気付いています。そしてリモートワークをはじめとしたNew Normalの働き方や新しいコミュニケーションツールにより、みんなで東京に集まっている意義が薄れています。全く身勝手な考えではありますがこれを機に関西復権が進むことを期待しています。万博もありますし(多分・・・)。神戸なんか極端な人口密集を避けつつも都市機能の恩恵にもあずかれるという意味でちょうどいいと思うのですが。
今回のCovid-19対策は概ね上手くやったと述べましたが、若干的外れであった側面も否定できません。New NormalとはCovid-19の流行と消退のリズムに併せて生きていくことを意味します。感染症との共生というと大袈裟ですが、人間社会は感染症とともに生きてきました。毎年のインフルエンザもそうですし、そもそも日本では毎年10万人が肺炎で死亡しています。もちろん肺炎は感染症です。これまで感染症で一定の生命を失いつつも人と人は関わり続け、そして社会を形成し経済を回してきたこと思い返すと、今回行われた社会的隔離による感染拡大対策は些か行き過ぎの側面があったのではないかと私は思うのです。特に「三つの密」を避けるということでソーシャルディスタンスを保つことが感染対策の金科玉条のごとく唱えられてきました。だけど、この「三密を避ける」だけにフォーカスするのはちょっと本質を外しているのかと考えています。
ウィルスの感染経路は様々です。空気中を漂うウィルス含有エアロゾルを介した感染も理論的にはありますが、圧倒的に多いのは手から口もしくは鼻の粘膜への感染です。重要なのは、手で口や鼻もしくはその周辺を触らないことです。鼻をほじりたいときや鼻がかゆいときなどはグッと我慢してティッシュペーパーを介して触りましょう。ただ、無意識に触れることもあります。結局、手を清潔にしておくことが大事です。ひたすら手を洗うのです。とくに石けんの泡でウィルスが壊れやすいですから石けんを良く泡立てて洗うのです。泡立てるのが大事です。石けんがない状況でも流水によりウィルスは流れ落ちますからある程度有効でしょう。とにかく手を洗いましょう。手を洗えない場合はアルコールによる手指消毒も有効です。
案外言われていないですが、Covid-19のウィルスは呼吸器系だけでなく消化管にも潜むようで、排便にウィルスが混ざります。なので、トイレの後も徹底的に石けんによる手洗いをしましょう。トイレの清掃、アルコール消毒も徹底しましょう。感染最盛期の慶應病院では職員に対して常に食事をひとりぼっちで摂るよう指示が出ていました。向き合って話しながら食事するのは感染リスクがあります。職員食堂だけで無く家庭でもです。ただし、これは感染が蔓延している状況だけに限定すれば良いと思います。いまの関西でそこまでする必要はないと思いますが、しゃべりながら食事を一緒に摂ることが感染拡大のリスクとなることを認識しておくべきでしょう。また流行しだしたとなったらさっとそういう対策を立てるのは有効です。大皿料理を直箸でつつき合うのもNGです。
以上に挙げた、手洗い徹底、トイレ掃除、食事の注意以外の対策は感染確率を下げることには多少寄与するかもしれませんが優先度は下がります。マスクも感染が下火になった現在の一般社会ではそれほど役に立たないです。マスクをせずに電車に乗るなど犯罪者のように言われてますが、本当にそうでしょうか。マスクは感染の防御という意味ではあまり役にたちません。一方、無症状感染者が知らない間に人に移しちゃいけないからマスクをしましょうという話もあります。どうでしょうか。マスクしていなくても口開けなければ唾液は飛びませんよね。鼻息に混じるウィルスがどのくらい飛沫感染をおこしますか?マスク無しで電車にのっても黙ってりゃマスクして乗っているのと同じことですよね?重要なのは、人が近接している状況で唾液を飛ばすような大声で会話しないことです。飛んだ唾液はそのまま隣のひとの口の中に入って行くのでしょうか?これも無いとはいえませんが、人の顔面めがけて唾液飛ばしながらしゃべるシチュエーションはかなり特殊です。普通は飛んだ唾液は手すりや衣服に付着します。それに接触した手で口や鼻を触ることで感染が成立します。ちなみにマスクの外側をついつい触ってしましますが、もしマスクにウィルスが付着していればこれでも手にウィルスが付着します。やっぱり犯人は手なのです。これがマスクの装着よりも手洗いや手指消毒が重要である理由です。ちなみに外科医はトレーニングにより手術中にマスクを手で触らない習慣を持っています。だから手術中のマスクは感染予防に役立ちます。でも一般の方はそれを正しく使用することは難しいのです。この考え方を見事に具現化していたのが宝塚音楽学校の入学式でした。6月になってようやく入学式が挙行されましたが、新入生はマスクを着用していませんでした。そのかわり、名前を呼ばれても起立するだけで返事はしませんでした。この方針はとてもクレバーで本質を理解したものでした。密に接してもしゃべらなきゃいいのです。New Normalでは正しい知識と考え方を大事にして、なんの症状もない人がマスクをするという「ポーズ」よりも重要なことがあるという本質を突いた行動指針を持たないといけないですね。
鼻水や咳が出ている人にはマスクは有効だとも言われます。しかし、それこそが最大の問題点です。そもそも体調悪くて鼻水や咳が出ている人、発熱している人は、混雑している公共交通機関を利用したり混雑している店に行ったりしてはいけないのですよ。マスクを着ける着けないの次元ではないのです。New Normalではこう考えます。鼻水や咳は感染症の症状なので他人に接近するべきではない。そして、職場や学校教育の現場では、発熱や体調不良を理由とする欠勤や欠席に対して寛容になるべきです。リモートでの仕事や受講により代替できる環境を整えるのも大事です。花粉症の時期はどうするのか。これは確かに難しい問題です。でも少なくとも高熱がでることはないでしょうから、まずは発熱者が公共の場にでないことを徹底することから始めましょうね。駅や空港、店の入り口など至る所で体温チェックポイントを設置して発熱者の洗い出しをするとともに発熱者がうろうろしてはならないことを啓蒙することが感染症に強い社会を作ると考えます。
冬の流行期に熱が出ると、インフルエンザチェックをするのが慣例でした。これも考えを変える必要があります。インフルエンザ迅速抗原検査で陰性という結果が出たとします。でも、残念ながら、このうち半分は実際には感染者なのです。このような方が検査で陰性だと大手を振って会社に出勤し、大いにウィルスをばらまいていたのです。完璧な検査はありません。感染症の検査結果は行動指針に利用してはいけないのです。インフルエンザ流行期に38℃出てたらまず間違いなくインフルエンザに感染しているので、検査結果によらず人との接触を避けるべきです。これからは、「高熱が出ていたら出歩くな!」が正解です。以前から感染症専門家の間ではそう考えられていましたが、一般の医者が不勉強だったり、患者に検査の限界を説明するのが面倒だったりで、とりあえず検査をしてきました。New Normalではインフルエンザ検査が全てという考え方を変えるべきでしょう。発熱直後ならタミフルなどの抗ウィルス薬を服用すると解熱が少し早くなるかもしれません。でも飲んでも飲まなくても自然に良くなります。じゃあ医者に行く意味ないじゃないか。残念ながらそれも半分以上正しいですね。私は、30代男性で熱がでて喉が痛い患者さんを的確に診断して的確なクスリを処方しようとは思いません。原因菌や原因ウィルスがなんであれ、熱があって喉が痛い疾患は殆どが勝手に治ります。実際には原因ごとの特効薬など存在しないのです。だから「じゃ、家に帰って寝ててくださいね」で良いのです。ただ、普通はそれでは患者さんは納得しません。「お医者さんが風邪を治してくれる」神話や「感染初期に名医の処方により大事に至らずに済んだ」神話があるので、手土産なしで帰ってもらうのは困難です。上のくだりを説明して納得してもらうのが筋ですが正直面倒だし時間を無駄にします。なので、誰に対しても同じ総合感冒薬と解熱鎮痛剤(両方とも市中薬局に売ってます)を処方することで円滑に業務を遂行します。実際には、医者の役割も少しはあって、高齢者や基礎疾患(糖尿病、心臓病、抗がん剤内服中など)があって重症化し易い患者や明らかに呼吸状態が悪い人の場合は丁寧に診断を進めます。胸部X線写真やCTを撮り、採血して大変なことになってないか確認します。だから、医者にかかることを否定しませんが、手ぶらで帰されることも十分あり得ることは知っておいて欲しいですね。そもそも医療機関には弱い人が沢山いるので感染症にかかっている自覚のある方は、医療機関を訪れるべきかどうか慎重に判断すべきです。今、多くの方がもしかしたら自分が人に感染を拡げるかもしれないからマスクをしよう!と考えておられます。そのような考えができるのであれば、熱が出ていればなおさら人に感染症をうつす可能性が高く、うかつに病院やクリニックきてはいけないことは理解し易いでしょう。リモート診療は有用かもしれません。私もNew Normalの鍵となるテクノロジーとして大急ぎでリモート診療体制の整備を進めています。
たくさん検査して「Covid-19陰性証明」を出せば経済回復に寄与するという意見があります。これは検査のことを理解していない意見です。インフルエンザと同じく、感染症罹患の証明は比較的簡単ですが「感染症陰性」を証明するのはとても難しいのです。検査クオリティもそうですが、時相の問題は絶対にクリアできません。つまり検査した時点ではかかってなくても検査の1時間後に階段の手すりで手にウィルスをつけ、そのまま鼻をほじってめでたく感染成立は十分あり得るのです。例えば、試合前のサッカーチーム全員とか手術を受ける患者さん全員といったある一定の集団に対して網羅的に検査をするのは、意味があるかもしれません。しかし、無症状の市民全員に検査をするアイデアはまったくナンセンスです。
今回の自粛要請による外出の抑制、そして自主休業による社会活動の制限によりCovid-19は一旦押さえ込めたようです。日本国民の頑張りは賞賛されるべきです。しかし、一連の流れをみて薄ら寒くなったのは私だけではないでしょう。いいですか?公共の利益のために明日から店閉めろと言われ、それに対して法的拘束力や罰則規定もないのに物の見事に一斉に店を閉めた。おまけに営業継続している店には「自粛警察」なるお節介な人々がおしかけた。ちょっと気持ち悪いですね。「うるせえ、うちは閉めないよ」なんていう飲み屋さんがもっとあったほうが健全な社会な気がします。いろんな意見のひとが好き勝手にやるほうが人間らしいですよね。でも本当に完全にロックダウンしなければいけない局面もあると思うのです。それならば私権を強制的に制限できる法律を成立させるべく議論をすすめるのが筋だと思います。私権を制限する法律ができるのは嫌な気持ちもしますが、私権を制限する空気だけで私権が制限されてしまった今回の騒動のほうがもっと怖いです。マスクの問題もそうですが、周囲の目や批判を気にしてポーズするだけで、本質的でない行動指針を持つことはとても不幸です。
「医療崩壊」も本当にあったのでしょうか?確かに院内感染が起こってしまった病院やCovid-19陽性患者を沢山受け入れた施設では大変な思いをしたことでしょう。でも私の勤務する病院ではついにCovid-19陽性患者が入院することはありませんでした。通常の手術や外来患者が減ったため病棟もガラガラ。「人工呼吸が足りない!」とワイドショーで盛んに報道されていた当時、院内に10台以上ある人工呼吸器は1台も稼働していませんでした。医療報道はセンセーショナルになりがちです。国民が必要な時に必要な医療を受けられるシステムを整備し直さないといけないですね。その鍵は情報開示です。地域の各病院のベッド数や集中治療室の稼働状況、人工呼吸器の稼働状況などがリアルタイムにそして社会にオープンに開示される仕組みを作り、医療資源を有効にシェアできるようにするべきだと考えます。
そもそもCovid-19陽性者数のカウントが紙ベースだったとか、手作業でエクセル集計していたなど、前近代的なシステムがまかり通っていることに驚きました。例の給付金申請などでもそうですが、行政システムにおける本当のIT化が必須です。否定的な意見は承知していますが、国民総背番号制、つまりマイナンバーカードの保持義務づけが重要です。マイナンバーを利用して公的手続きすべてがリモートで完結できる仕組みに一本化せざるを得ない気がしますね。自署とハンコの時代ではないです。全ての金融口座のマイナンバーとの紐付けは必須でしょうし、キャッシュレス決済を徹底的に普及することで、フェアな納税とマネーロンダリング根絶に本気で取り組むことができるはずです。
Covid-19感染の第二波はやってくるのか?そりゃ勿論やってくるでしょう。ワクチンが開発されるまでは感染拡大と抑制を繰り返すことになります。だからNew Normalは感染症に周期的にやられることを受容できる社会を構築することです。たとえば密集を抑制できる社会構造に変化しなくてはなりません。そのために「不要な」活動を減らしていく改革が必要です。サービス業においては周期的に市民活動がダウンしてもビジネスが継続できるようなビジネスモデルにせざるを得ません。もちろん「夜の接待を伴う飲食店」などを経営するには相当な工夫が必要になります。この手の店に対するニーズは不滅なので、稼げる時に稼いで感染症が流行したらさっと店を閉めるようなパターンを繰り返すことになるのでしょうか。誰かが革命的なアイデアを出すんでしょうね。楽しみです。
ということで、New Normalに課題は沢山あります。しかしネガティブなことばかりではありません。今まで当然と思っていたことを見つめなおし、本当に必要なことや生産性を上げることに集中するのは企業再生みたいな仕事と同じでとてもエキサイティングな事業です。あるいは、感染の周期に影響をうけて予定していた通りに事が進まないことや仕事を休むことに寛容になった社会は逆に生きやすい社会だと思います。私の予測では、New Normalでは、とても生きやすい社会がやってきます。前を向いて進みましょう。
最後に、医者から見て有益だと思える感染対策情報一覧です。本稿で唯一役に立つ部分ですね。今、不確かな情報に振り回される方が目立ちます。信頼できる情報ソースを持つことと、自分の頭で考えること。大事ですね。
https://medstudent.jp/wp-content/uploads/2020/04/infection-prevention-20200413.pdf(特に「院外におけるCovid-19予防策」は役に立ちます。)
https://www.covid19-yamanaka.com/index.html (ノーベル賞受賞者らしい科学的な情報収集および提言がまとまっています。概ね正しいと言えるでしょう。)
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/ (専門家の意見としてまともな意見が読みやすく書かれています。)
https://www.med.kindai.ac.jp/files/about/kizuna/kizunavol24.pdf (病院のパンフレットらしく、患者さん向けに具体的に記載されています。)
神戸慶應倶楽部会長 木村 健(昭57法)
2020年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
令和として初めての新年を迎えました。今年は国内において、いよいよオリンピック・パラリンピックが開催されます。昨年開催のラグビーワールドカップ同様に世界中から多くの観戦客が訪日されることでしょう。昨年と同じく、日本のおもてなしの心、日本の美しさ、素晴らしさを体感していただければと願います。一方でオリンピック・パラリンピック終了後の景気減速を懸念する説も聞かれ、国内経済動向には気を緩めることなく注視していくことが肝要でしょう。
世界は今、政治・経済・社会のあらゆる面で急速に変貌しつつあります。情報通信技術が毎年進歩することにより、社会の様相が劇的に変化し続け、モノが価値の中心を担っていた時代から、情報やサービスが価値を担う時代となりさまざまな情報が国境を越えて瞬時に伝わりますが、プライバシーの取り扱いやフェイクニュースの蔓延など社会秩序が確立されぬままの変貌であることは否定できません。このような時代において何よりも大切なことは、私たち一人一人が自らよく考え、自ら判断する個人の意識改革であり、これが慶應義塾精神の根底であると考えます。
さて、昨年11月10日、神戸にて開催しました関西合同三田会は、730名を超える来場客を迎え盛況裡に閉会しました。慶應義塾並びに地域三田会からも高い評価をいただき幸いに存じます。計画・準備から尽力いただきました実行委員会幹部の皆様、多大なるご協賛をいただきました皆様、運営協力いただきました実行委員会の皆様、物心両面にて後方支援いただきました神戸慶應倶楽部役員・会員の皆様に、改めまして厚く御礼申し上げますとともに、今年も皆様のご指導、ご鞭撻、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
今泉 良太(平10経)
令和2年1月24日金曜日、毎年恒例の西村屋 和味旬彩にて1月例会が開催されました。
今年は関西不動産三田会様との合同例会という形でたくさんの方とともに和気あいあいとした雰囲気で盛大に行われました。木村会長より開会の挨拶の後、関西不動産三田会 麻殖生代表世話人よりご挨拶を頂戴したのち、松尾副会長が昨年の関西合同三田会へのご協力に対する謝辞を述べられたのち鏡割りした樽酒での乾杯でスタートいたしました。
前菜、かにすき、雑炊、デザートととても美味しく頂戴いたしました。最後に、90歳になられた森先輩にもお話いただき、大変元気なお姿に感銘いたしました。そして、今年、新生記念館で行われる連合三田会のご案内に来られた竹中氏のエールの下、若き血を合唱し楽しい会はお開きとなりました。毎年ですが、西村屋の皆様には大変お世話になりありがとうございました。
郷田 誠紀(平6商)
12月7日土曜日、午後6時から年内行事の締めくくりとなるクリスマス例会が、神戸ポートピアホテル・ダイヤモンドの間で開かれました(参加者 23名 家族含む)。木村会長による神戸慶應倶楽部の今年の活動報告を含めたご挨拶と乾杯の音頭で、パーティーの幕開けとなりました。
令和元年度(平成31年度)、神戸慶應倶楽部にとって最大のイベントでありました関西合同三田会が終わり、その影響(?)からか例年より、少な目の出席者数でしたが、関西合同三田会の開催されました場でもある神戸ポートピアホテルで、余韻を味わいつつ終始、和やかな雰囲気で進行していきました。11月10日の関西合同三田会の当日の様子を撮影しました動画を、モニターで流して、当日の様子を再現しました。皆で当日の出来事を思い出し、感想を述べ合いながら食事を楽しみました。私も合同三田会当日、受付・会計等をしておりましたため、初めて見る光景も多く、あらためて神戸での関西合同三田会の素晴らしさを実感いたしました。
しばし、美味しい食事と会話を楽しんだ後は、ヴァイオリンとピアノのデュオ演奏が始まりました(出演:マウロ・イウラート&佐野まり子)。クライスラー:『美しきロスマリン』、ヴィヴァルディ:『四季』~「冬」といったクラシックの名曲に一同聴き入りました。子守康範会員の特別司会によるオークションでは、今回初めて例会に参加いたしました愚息(小4)も、途中でステージに上げていただき、適度にいじってもらって楽しかったようです。最後は、城口副会長のご挨拶のあと、全員で若き血を熱唱して、お開きとなりました。
去る2020年1月25日,六甲国際ゴルフ倶楽部にて,数年ぶりに若手vsシニアのゴルフ対決,堺杯が開催されました。今回こそはと意気込む若手を尻目に,今回もシニアの圧勝で幕を閉じました。グロスベスト3を城口プロ,堺プロ,山上プロに独占されては若手に勝ち目はありません。次回はハンデください。