会員の輪

2017年

≪会員寄稿≫

Home of Golfでプレー

城口隆(昭56経)

 今年8月9日に友人夫妻、私たち夫妻と娘の5人でSt Andrews Links’ the home of golf(Old Course)に行きプレーをしてきました。翌日には、2017全英女子オープンを開催したばかりのキングスバーンズGLでラウンドしました。2日間とも天候にも恵まれ結果的には、大変楽しく想い出深いラウンドになりました。しかし、予約もせずにこの時期(8月上旬)にラウンドしようと企画すること自体非常に無謀であった事を反省すると共に、いつかOld Courseでプレーしたいと考えている方に多少の参考になればと思い筆を執りました。

 今年の3月頃、大学時代の友人から夫婦でOld Course をプレーしないかと誘われました。私の娘が現在イギリスの大学院留学中で大学のゴルフ部出身だったこともあり、ゴルフが出来る通訳付の旅行になるだろうと目論んで私を誘ったようでした。友人は現地のエージェントを知人から紹介を受けていたので、英語が出来る私の娘に交渉させれば大丈夫だと安易に思ったようです。ところが、3月の時点でも既にOld Courseのプレーを確約できる予約枠は無く、あの17番ホール横のオールドコースホテルも3日間宿泊が確定出来ない条件での高額な見積もりを提示されました。来年に見送ろうとも考えましたが、Old Courseラウンド経験がある複数の知人が口を揃えて言った「現地に行けば何とかなる」との言葉を信じて、エージェント手配を止め、オールドコースホテルだけを個人的にネットで予約しました。

 8月のエジンバラは賑やかです。ミリタリータトゥ?(Royal Military Tattoo)という軍楽隊のイベントがあり、世界中から観光客が22万人も集まる時期です。今年から初めて自衛隊も参加していました。

 私たちは、オールドコースホテルのゴルフコンシェルジュに頼んで、Old Courseでのプレー枠を取るために、現地で2日前に開催される抽選会に3日間(滞在期間)エントリーしましたが全て外れました。オールドコースホテルに泊まっていてもSt Andrews Links’とは関係が無いので、全くアドバンテージはありません。少しの絶望感を味わいながらもここまで来たらゴルフをしないで帰るわけにはいかないという強い意志を持って、残された最後の手段、早朝から当日受付に並ぶことに賭けました。朝3時半に起きて4時に受付に着いた時、既に11番目。先頭は前日の夜8時半から寝袋で並んでいました。6時に受付が開始され、何時にプレーできるかは直前まで分からない状態ですが、hopelessと言われなかったので今日必ずプレー出来るだろうと期待しながら待つことになりました。結局、私が10時50分、友人夫妻が15時30分、娘が16時30分にスタート出来ました。10分前に「Are you ready?」と声をかけられ、スタート確約が取れた時の嬉しさと18番ホールに戻ってきた時の満足感は、「これが最初のOld Course.これで最後のOld Course」という感じでした。ちなみに私の妻はハンディが36以上なので今回はギャラリーで一緒にラウンドしました。

 Old Courseでプレーしたい場合は、5つの方法があるようです。

  1. 10ヶ月以上前からR&A公認エージェントに依頼する。(値段は高い)
  2. 前年の8月20日頃?2週間のオープンバロット(抽選)に申込む。但し、確約ではなく、10月末に抽選結果が通知され確定されます。8月のハイシーズンの当選確率は50%以下だとか。
  3. 現地2日前のローカルバロット(抽選)に申込む。
  4. 当日並ぶ。(原則一人でプレーする人の受付で、多くて2Ballまでです)。
  5. R&Aのメンバー同伴でプレーする。R&Aメンバーには、一定枠が確保されています。世界中に2500人メンバーがいると言われていますので、三田会関係者もいらっしゃるかもしれません。但し、最もハイシーズンである8月上旬?中旬を外せば、4月?10月の期間で余裕のある時期もあります。その場合は、今回の報告とは異なります。

 今から考えると無謀な旅にも関わらず強い期待と根拠の無い自信を持って楽観的に出発した私たちでしたが、心に残る多くの時間を共有することが出来ました。寒い中早朝より並んだ待ち時間に、世界中から集まったゴルフ愛好者たちと交わしたゴルフの話、見ず知らずの同伴プレーヤーとの緊張感のあるラウンド、自分専属のプロキャディーがバックを担ぎ、的確なアドバイスを受けて打つことのみに集中できたゴルフ。今まで味わったことのないゴルフの楽しみ方をゴルフの聖地で学んだように思います。

 ゴルフという共通語があれば、言葉等が話せなくても何も問題ありません。気の合った仲間とプレーするのも楽しいですが、Old Courseでは世界中から集まってきている『ゴルフが大好き』な人と一緒にプレーする事をお薦めします。今回Home of Golfでプレー出来たことは今までのどんなコースでプレーするより良い記念になりました。